2008/08/20(Wed) 17:35 かみなりを名乗る者として

東京国立博物館の「対決 巨匠たちの日本美術」、
最後の一週間だけに登場した「風神雷神図屏風」を見た。
俵屋宗達筆の国宝と尾形光琳筆の重要文化財、
二人の「風神雷神図屏風」を並べて展示する趣向だ。
二つはかつて出光美術館で並べられたことがあるのですが、
その時は行くことが出来ず、念願だったのです。
二重三重の人垣をかきわけ、両方の雷様にごあいさつ。
「かみなり屋などと名乗っているケチな野郎でしてどーも…」
なんて感じで近寄ると、宗達筆の方はグーッと迫ってきて、
光琳筆の方はギロッと睨んできた。電撃くらったよぉ。
「風神雷神図屏風」を最初に描いたのは俵屋宗達で、江戸時代の初期のこと。
その後、およそ百年後に尾形光琳が自分らしく模写しました。
金箔の上に、雲にのった風神と雷神がそれぞれ右と左に描かれている。
これが二つの作品の共通のことで、細かい部分はかなり違う。
宗達のものは、屏風からはみ出しそうな構図とスピード感のある雲の表現で、
風神と雷神が飛んでいる空間の広さが感じさせられる。宗教的な宇宙だ。
対して光琳のものは屏風全体にすべてが収まるように描かれ、
乗っている雲は積乱雲のように盛り上がった黒雲。どっしりとした世界だ。
しかも、重厚な調和をより安定させているのが視線の描き方で、
宗達の方はお互いの視線は合っていないのだが、光琳の方は合っている。
琳派を確立した宗達の時代・江戸初期から百年が経ち、
より様式美を求めるようになっていったってことなんだろうか…?
2008年の夏に巨匠たちの作品を並べて展示する特別展を企画したのは、
北京オリンピックの開催があることと無関係ではないだろうとも推察。
この「俵屋宗達vs尾形光琳」はじめ、
「運慶vs快慶」「光悦vs長次郎」「円空vs木喰」「歌麿vs写楽」など、
どれも日本美術界の個人決勝戦のようで、
作品を単体で展示するよりもビリビリとした緊張感が発せられているようだ。
本物同士というのはやはり凄いのだと再確認したよ。
どっちが「金」でどっちが「銀」なのかは、お好み次第でってことで。

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こっち! ---------- おなか屋 | URL 08/21 13:07 | edit
いいすね、“巨匠の対決”。この字面からしてよい。
あたしゃ、断然“宗達”でごわす。ROCKしてます。ROLLのつかない、ぴりぴり来るROCK。最後まで、息つかせないスピード感を感じます。
作者の生没年も定かでないLEGENDもなぜかROCKの味付けになってしまう。
より一層、ばかを自覚する今日この頃。これでいいのだ。
一晩明けたら、 ---------- おなか屋 | URL 08/22 07:23 | edit
今日になったら、光琳筆の方が気になり始めました。とはいっても、「画」の好みは変わってません。
じゃ、なんだ?と言えば、光琳はどこに「毒」もったのだろう?どっかに、「毒」を仕込まなきゃいられないタイプの人がいますが、呉服屋の次男坊はきっとどっかに、毒盛ってるはず。かみなり屋さんが、ギロッとにらまれたのは、“簡単にばらんすじゃねーぞ”と言われたのでしょうか?
相当、見たかったです。
日々是馬鹿。これでいいのだ。
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